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文芸誌 アカシアの箱 第八号

いつか消え去る人生に君と楽しい思い出を。

共に歩いた時がある。共に過ごした時がある。

それがどれほど幸せで、どれほど苦しいことなのか。

一人になるのは怖いから小さな花に願いを込めた。少しも忘れてほしくない。

いっそ、知らない方がよかった。

けれど、君に出会えてよかった。

 
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文芸誌 アカシアの箱 第七号

世界は灰色に沈んだまま。

常温の思い出を抱きしめて、素敵な未来を夢見るんだ。

ほら、手を取り合って祈ろうか。

握りしめたメッセージ。どこまでも純粋だった。

まさかまた会えるなんて。もっともっと話していたい。

​きっと、それを愛と言うんだろう。

 
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文芸誌 アカシアの箱 第六号

風が吹き込む。

風は過去を連れ去って新たなものを呼ぶ。

新しい世界に君はいないだろう。

放課後の教室、狭いテントの中、あの日の帰路────

息を切らして自転車を漕いだ。何も変わらないあの場所が懐かしい。

君は確かにもういない。けれど寂しくはないんだ。

手の中には僕らが紡いできた物語。

終わりは始まり、君が教えてくれたこと。

​君と開いたおもちゃ箱を抱きしめる。

「いま箱は手渡された」

 
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文芸誌 アカシアの箱 第五号

 ―――それは、一滴の青い記憶。

 箱に仕舞いこんだ、言葉の数々。

「世界を見下ろすあなたは電車に乗っている」「名前くらい、教えてくれないか?」「僕はヨワムシ」「こんなものを持っていても、僕は戻れない」「思い出していたのは二度と戻らない過去」「海中遺跡のように沈んでいた」「そんなことが許されるはずがない」「でも悪くはない」「ふわりと被帛が舞う」「なんと、なんと美味なことか」

 取り出して、眺めて、光にかざす。

 何を思って生まれた言葉なのか、もう、覚えていないけれど。わたしの言葉、わたしの物語、生まれてきた世界を私たちはずっと、あいしてる。

 
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文芸誌 アカシアの箱 第四号

床を流れる赤、空を覆う灰、零れる雫は何色か。

足元に迫る鮮やかな流動体。小指を探す少女とシガーキス。

造り物の花を折る母。静かに更けゆく夜の中には猫と海月と月の光。

水と夜。ゆるやかに流れ、たゆたうものに身を任せてしまいたいと思うのに。

―――窒息死していくだけだなんて

音がする。冷たい雨、本物の、空から零れ落ちる、雫が奏でる音にまだ心は共鳴できるから。

 

日の終わりと始まりを、色彩を持たない雨が静かに告げている。

 
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​文芸誌 アカシアの箱 第三号

 何度だって、僕らはこの時代に生まれてくる。

 報われない恋をして、星に埋め尽くされた空に焦がれて。人も、人為らざるモノも、命に追いかけられて。

 廻り来る季節を待っている。自分になれる世界を待っている。

 ―――大丈夫、行き先だけは、迷わないから

 さぁ、歯車を廻そう。終わりに向かう命に、花を贈ろう。

 僕を生んだ時代が死んだって、僕が生きる時代が待っているから。

 秘密と記憶を抱えて、もう少し、生きてみてもいいんじゃないかな。

 
 

​文芸誌 アカシアの箱 第二号

 ​世界の終わりも始まりも、いくらだって言葉に出来る。

 本物を見た人は誰もいないのに、言葉だけが溢れて、例えば十三ページ前に始まった世界を紡ぎ出す。地球の寿命をあと一時間だと仮定して、その仮定で成り立つ世界を描いてみる。そう、ほんの少しだけ特別な話なんだ。貴方の知っている現実と、少しだけずれた正しい世界の話。

 ただ、一つだけ。どんな世界もひどく美しいってこと。誰が生きる世界にも光はあって、みんなそれに向かって歩いている。命ってそういうもの。それだけは、忘れないでほしい。

文芸誌 アカシアの箱 創刊号

「ただ一つ、この夢だけは壊さないように。」

 夢も現実も、描いてしまえば偽物だ。貴方にとっての現実は、私にとっての夢かもしれない。だから本物なんてどこにも無いんだ。基準なんて生まれたときから灰色だった。……それでも、夢を見ずにはいられなかった。在りもしない現実を描かずにはいられなかった。

「君の物語を書こう」知らない君の、物語を書こう。「歩むその先に……われらの願いを」探しに行こう。壊さないように、壊れないように抱いた言葉を紡いでいこう。

「それでは今日も、佳い現を」

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